創作シリーズ「熾火」

敗れざる者の胸奥に灯る《いのち》の灯り――。

2023-01-01から1年間の記事一覧

ごあいさつ(新・固定記事)

こんにちは。 「連続創作」として、7月13日より10月18日まで「熾火」3部作を断続的に投稿していました。その投稿が一段落して以来、早くも2か月弱になろうとしています。書きたい主題は、ほぼ内定していたのですが、踏み出せないままでいました(Kindle化や…

「ニュースレター」を準備中です。

こんにちは。 「theLetter.jp」というサービスサイトを見つけまして、情報をお手元のメールBOX宛てに配信すべく、準備を進めています。以下のご登録欄(サイドバーにも設置)からアドレスを送信いただきますと、「ニュースレター」が届きます。 今のところ、…

プリント版配布を始めます

こんにちは。 少し間を開けてしまいました。風邪を引いたり、これからご紹介する作業の準備をしていました。 連続創作「熾火」3部作として書き続けていた一連の文章も、ひとまず完了して、現在は、Kindle化や、プリント版の配布の準備をしています。 「プリ…

創作「熾火Ⅲ」あとがき

こんにちは。23/07/13にこのブログを立ち上げて、創作「のようなもの」に取り組み出してから約3か月となりました。最初は中編くらいの長さのものを徐々に書き増していく予定でした。ところが、何のひらめきかはわかりませんが、1回1000文字程度のものを、新…

創作「熾火Ⅲ」エピローグ

こんにちは。今回で「熾火Ⅲ」はエピローグのお届けをして、残りは「あとがき」ということになります。今までお読みくださいまして、ありがとうございました。 ◇ ◇ ◇ 「吉岡さん、ぼくね、今度主治医が代わることになったんですよ。それでね」 昌行が「しずく…

創作「熾火Ⅲ」(11)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅲ」の(11)をお届けいたします。斉木和正の母・美代子と昌行は、不意に出会うこととなりましたが・・・。 ◇ ◇ ◇ 「すてきな演奏でしたね。今日は昌行さんとお会いできてよかったわ」 所与の目的を一つ果たし終えた美代子は、満足…

創作「熾火Ⅲ」(10)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅲ」の(10)をお届けいたします。今回は、新しい登場人物が現れます。 ◇ ◇ ◇ 「雅実さん、よかったら私のこと、お義母さんて呼んでくださいな。その方がうれしいわ」 スカイツリーの見学を口実にして上京するという、雅実と離縁し…

創作「熾火Ⅲ」(09)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅲ」の(09)をお届けいたします。今回は読書会についても継続して扱っています。 ◇ ◇ ◇ 初回の読書会で、『ゲド戦記』第1部『影との戦い』を取り上げて好評を博したことに気をよくした昌行は、次の2013年2月の回では、岩波ジュニ…

創作「熾火Ⅲ」(08)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅲ」の(08)をお届けいたします。対面でだけでなく、オンラインでも読書会を開催したいと昌行が主張します。いよいよその読書会が始まりました。 ◇ ◇ ◇ 昌行は、対面での読書会の実施と並行して、オンラインでも開催したいと発案…

創作「熾火Ⅲ」(07)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅲ」の(07)をお届けいたします。震災後、躁と鬱の波に襲われた昌行ですが、復調して「読書会」がしたいと申し出をしています。 ◇ ◇ ◇ 読書会を始めたいという昌行の発案は、さしあたっては「しずく」とは独立した形で実施すると…

創作「熾火Ⅲ」(06)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅲ」の(06)をお届けいたします。震災後の昌行と、当事者会「しずく」について、もう少し書き進めていきます。 ◇ ◇ ◇ 《ミューズ》こと、須藤めぐみが「しずく」に参加して、2か月が過ぎた。今は盛夏である。昌行は、なおも地域生…

創作「熾火Ⅲ」(05)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅲ」の(05)をお届けいたします。自分の誕生日と震災の日とが重なって、昌行は一時体調不良を訴えるようになりました。一方、当事者会の「しずく」は活動を継続していました。 ◇ ◇ ◇ 「震災から3か月経ちましたが、いろんな問題を…

創作「熾火Ⅲ」(04)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅲ」の(04)をお届けいたします。今さらではありますが、作中の人物や設定は、全て架空のものであって、実在するものとは一切関係ありません。どうぞお含みおきください。 ◇ ◇ ◇ 順調に見えていた昌行の地域生活支援センターへの…

創作「熾火Ⅲ」(03)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅲ」の(03)をお届けします。雅実たちは昌行の部屋で誕生日を祝います。しかし――。 ◇ ◇ ◇ グラスが倒れて飲み物がこぼれた。書架の上から空の段ボールが落ち、ガスも止まってしまった。東京でこんな揺れがあったという記憶は、昌…

創作「熾火Ⅲ」(02)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅲ」の(02)をお届けいたします。昌行の誕生日である3月11日、雅実は昌行の部屋を訪ねることになりました。しかし――。 ◇ ◇ ◇ 「今日はどんなプログラムだったの」 「アンガー・マネジメントの初歩について。怒りを抑えることが、…

創作「熾火Ⅲ」(01)

今回から、連続創作「熾火Ⅲ」本編をお届けできることとなりました。本当にありがとうございます。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。 ◇ ◇ ◇ 2011年2月、千々和雅実は新卒時の勤務先での上司・高木陽子の娘・美恵子の結婚式に出席するため、長崎に…

ごあいさつ(旧固定記事)

こんにちは。 当ブログでは、23/08/05以降、連続創作として「熾火」「熾火Ⅱ」「熾火Ⅲ」の3部作(となる予定)を掲載しています。1記事約1000文字というのは、おおよそ新聞に連載される小説の分量に相当するようです。 23/09/19現在では、概ね35回程度の「連…

創作「熾火Ⅲ」プロローグ

こんにちは。連続創作「熾火」シリーズは、いよいよ完結編として予定している「熾火Ⅲ」に入りました。うつ病を患い、福祉のサポートを受けている谷中昌行に、千々和雅実という理解者が現れます。2人は協力して「当事者会」の設立に動きました。 ◇ ◇ ◇ 2010年…

創作「熾火Ⅱ」あとがき

あとがき プロローグ+全13話で、「熾火Ⅱ」を一旦完結させることができました。ご講読くださった方々のご指導の賜物と感謝しています。ありがとうございました。ほどなく、完結編としての「熾火Ⅲ」をスタートさせる予定でおりますので、変わらぬご支援をいた…

創作「熾火Ⅱ」エピローグ

こんにちは。連続創作「熾火Ⅱ」は、この「エピローグ」で一応終結します。次回は「あとがき」を配信し、その後「熾火Ⅲ」を開始いたします。どうぞよろしくお願いいたします。 ◇ ◇ ◇ 2010年の年末、慌ただしく過ごしていた雅実の元に、一通の手紙が届いた。そ…

創作「熾火Ⅱ」(13)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅱ」の(13)をお届けいたします。雅実たちは、精神疾患罹患者たちによる「当事者会」設立に向けて動き始めていました。 ◇ ◇ ◇ 2010年の梅雨の頃、雅実たちによる当事者会の設立が10月と決まった。この会は、対面で開催するだけで…

執筆「中」記事⑤ 50記事を目前に

こんにちは。今回はトータルで50記事目を目前としていることにちなんだ「中間報告」をさせていただきます。日頃のご支援、ご指導には心から感謝しています。本当にありがとうございます。 さて、連続創作「熾火」「熾火Ⅱ」を中心としたこのブログは、この記…

創作「熾火Ⅱ」(12)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅱ」の(12)をお届けいたします。雅実は誕生日の返礼として、昌行をコンサートに誘おうとしています。 ◇ ◇ ◇ 「あのね。谷中さんは、クラシックお聴きになりますよね」 「ええ、もっぱらCDですけど、よく聴いてますよ」 「コンサ…

創作「熾火Ⅱ」(11)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅱ」の(11)をお届けいたします。(10)以降、雅実と昌行は、次第に親密さを増していきます。 ◇ ◇ ◇ 「朝はくもっていたけど、晴れてきたね」 2002年に産業カウンセラー養成講座で出会った時と同じコーヒーショップで、昌行と雅実…

創作「熾火Ⅱ」(10)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅱ」も10回目となりました。ご支援いただき、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。さて、ビデオ通話をするようになった2人ですが、雅実からある提案がされていきます。 ◇ ◇ ◇ あなたの力を貸してほしい、…

創作「熾火Ⅱ」(09)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅱ」の(09)をお届けします。2009年7月から年末にかけて、雅実と昌行はメールを交わし合っていました。やがて雅実から、ビデオ通話をしないかとの申し出がありました。 ◇ ◇ ◇ 雅実と昌行とは、互いに数回ずつのメールを送り合い、…

創作「熾火Ⅱ」(08)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅱ」の(08)をお届けいたします。2009年、昌行と雅実はメールを通じて、再会を果たしています。今回は「その後」を書いています。 * * * Sub:やっぱり、「とにかく」なのかぁ! 雅実です。ご返信ありがとうございました。「ウ…

執筆「中」記④ 閑話休題

こんにちは。 8月5日から「熾火」を16+1回、8月30日から「熾火Ⅱ」を1+7回の、都合25回書いてまいりました(創作メモや「統合版」を除いて)。1回について、だいたい1000文字ほどを書いているので、総計で25000文字ほどを書いた計算になるようです。ここらで…

創作「熾火Ⅱ」(07)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅱ」の(07)をお届けします。元同僚から、昌行のものではないかと知らされたブログの主に、雅実はメールを書きました。果たして? * * * Re:おひさしぶりです。 Masamiさま、いえ、私はあなたを千々和雅実さんと確信している…

創作「熾火Ⅱ」(06)

こんにちは。連続創作「熾火Ⅱ」の(06)をお届けします。「熾火」では一度再会した雅実と昌行でしたが、再び2人はすれ違うことになりました。その後で、この2人はどうなっていくのでしょうか? * * * 夫の斉木和正が雅実の元を去った2007年から、早くも2…